放課後になると、にわかに活気づく生徒たちがいます。

その子たちは「先生、将棋しましょう!」

と意気揚々と職員室にやって来ます。

 

彼らは、将棋部…いや、同好会…

いや、単なる将棋好きの集まりです。

 

何と名乗っていいのかも分からず、自分たちの棋力も分からず、何者なのか分からないけれど、

ただただ将棋が好き!!そんな子たちです。

 

今回、そんなみんなに降って湧いた、高文連将棋選手権大会の話。

福岡県全域の全日制の高校も一緒の大きな大会です。

想像のつかない相手にビビりながら、でも勇気を出して、東筑高校に乗り込みました!

今まで、見たことのない数の将棋盤と対局時計。

そして、いかにも強そうな制服姿の若者たち。

早めに到着して、すでに練習対局をしている会場からは、

ビシ!バシ!!と駒と盤の打ち合う音が盛大に聞こえてきます。

 

それを聞くや否や「先生、胃が痛いです」「先生、棄権していいですか?」「先生、もう帰りましょう!!」

お――――――――――ぃ!!

「強い人と対局できるということは?」

「…ツヨクナルチャンスデスネー」

棒読み( ゚Д゚)!!

 

そんなこんなで、心臓が口から出そうな顔色のまま始まった個人戦。

あの張り詰めた空気の中、迫りくる時間と闘い、

集中して、己の思考の限界をいつの間にか広げていくみんな。

 

ふたを開ければ、

男子個人戦を2人とも予選リーグ突破し、トーナメント戦に進出!

トーナメント戦では、それぞれ初戦、2戦目敗退でしたが、本当によく健闘しました!!

初心者の女子も総当たり戦で、2勝3敗という大健闘っぷり!

 

午前中にトーナメント戦で敗れた子が、午後も試合がある子に

「うらやましい!まだ将棋が指せるじゃん!!あー悔しい!!」

と言い出すのだから、驚きです。

ついさっきまで逃げだしそうな勢いだったのに…

 

結果、トーナメントが終わっても、

フリーの子を見つけては対局したり、

見ず知らずの子と将棋の感想戦で盛り上がったり、

内気な3人が何か殻を破った、そんな1日でした。